Foveonセンサーを体感したくて購入したSIGMA sd Quattro。
前の記事で外観をレビューしましたが、カメラですから作例を見ないと始まりません。というわけで、sd Quattroで撮影した写真をどうぞご覧ください。レンズは「30mm F1.4 DC HSM | Art」を使用しています。
五感で感じるFoveon
向かったのは新宿御苑。200円で様々な撮影スポットがあるので非常にコスパがいいです。飲酒はできませんが。
高画素なFoveonセンサーを搭載しているということで、苦手ですが風景撮りにチャレンジ。
新緑がえげつないです。Foveonセンサーは1画素の中にRGBそれぞれの光を読み取る3層のセンサーがあり、赤緑青すべての情報を取り込める仕組みになっています。1画素1画素が情報を取りこぼさずに読み取っているので、キレのある画になります。
緑の向こう側にあるビルたちもキレッキレです。すばらC。
カラスの羽根や石の質感が非常によく再現されているんじゃないでしょうか。sd Quattro、解像度や表現力は申し分ないですが、AFはお世辞にも速い方ではありません。動体にはあんまり向かないのでその辺は割り切って撮りましょう。
絞り開放で撮影した藤。行く時期がちょっと遅くて綺麗な藤棚を拝むことはできませんでした、残念。ピントを少し外してしまってはいるものの、雰囲気でカバーできそうな感じです。後ろのボケも綺麗。
少し絞ってF2.0で撮ってみました。綿毛とかもしっかり解像していていい感じじゃないです?
こちらもF2.0でふわっと撮影。色の再現度、陰影が見事ですわ。気持ちアンダーめで撮ると引き締まってよいですね。
中央ちょっと下くらいにピントを合わせて撮ってみました。細部まで解像しているし、ボケるところはええ感じにボケてくれています。色も鮮やかでよい。
パッと見た瞬間に、「Foveonセンサーで撮られるべき被写体だ」と思いました。やばくないですか??
F4くらいまで絞ったらもうちょっとイイ感じだったかもというやつ。
F1.4でこのキレ、緑の発色、ツヤ感の再現もさすがArtレンズという感じです。
新宿御苑を出て新宿三丁目へ。
伊勢丹本店の壁面がえげつないです。普通のセンサーならモアレを起こしてしまいそうな壁ですが、Foveonセンサーにモアレはありません。解像度も落ちません。
あぁFoveon…好き……。
解像力ももちろんですが、Foveonセンサーは被写体の質感や色の再現力もピカイチですね。ハチ公でさえも艶やかに写してしまいます。
雨の日など、濡れた光景だともっとsd Quatttroの本領が発揮できるので、そういう写真も撮っていきたいです。
sd Quattroだから撮れる画がある
いやぁ、Foveonセンサーまじすごいっす。昨今のミラーレスカメラと比較すると全然万能ではありませんが、撮ったもの全部がすごいくらいは言えます。手ブレとかがない前提ですけど。逆に、写真撮影の基本である適切な露出でブレずに撮る、ということさえできれば最高の画を生み出してくれるとも言えます。
SIGMAのカメラは友人が持っているDP2を触らせてもらったことがあります。この辺の代のSIGMAのカメラは「ハマれば最高」って感じのやつで、動作も結構もっさりしていて電池持ちもいいとは言えない感じの可愛いカメラでした。sd Quattroは”SIGMA比で”動作は結構キビキビしています。電池持ちもそこまで悪くないですし、撮影後のプレビューも(JPEGのみなら)レスポンスは悪くありません。重量についても、30mm F1.4 DC HSM | Artを着けて1kgちょっとと、最強のお散歩カメラなんじゃないでしょうか。
Foveonセンサーの写りの良さは十分理解してこのカメラを購入したわけですが、進化した「Foveon X3 センサー Quattro」は圧倒的でした。このQuattro世代のFoveonセンサーとArtラインのレンズによる描写はまぁハンパなくて、3,900万画素相当を上回るのでは?とも思います。すごい。難点をあげるとすればAF速度がそこまで速くないことと、高感度にはめっぽう弱く撮って出しならISO 400が限界、できればISO 200に抑えたいな…みたいなところでしょうか。しかし、そんなデメリットなんて忘れるほどの描写力なのです。Foveonセンサーでしか、sd Quattroでしか撮れない画があるんです。
この描写が手に入れられてセンサーが3層もあるのにレンズキットで10万円以下。実質0円と言っても過言ではないでしょう。みんなsd Quattro買おうよ。
Quattro世代のFoveonセンサー搭載のレンズ交換式ミラーレスカメラ、それにArtラインの30mm F1.4がセットになってこの価格、実質無料なのでは?