Satechiの薄型メカニカルキーボード「SM3」をレビューします。
テンキー付きのフルサイズレイアウトで、厚さ15.2mmというスリムさを実現し、薄型でもメカニカルらしさを十分感じられるキーボードです。

メーカーから製品を提供していただきレビューしています。
目次
外観と同梱物

Satechiらしいシンプルな外箱。

同梱物は本体、USB‑C to Cケーブル、2.4 GHzレシーバー、Mac/Win用交換キーキャップ。

トップケースはアルミ製で、薄型ですが剛性が高くたわんだりすることはありません。

底面の5ヶ所に滑り止めのゴム足がついています。使っていてキーボードがずれるということはありませんでした。

トップビュー。アルミフレームとダークグレーの組み合わせがカッコいいっすね。
日本語配列派の人には残念ですが配列はUS配列のみです。テンキーのついてるフルサイズレイアウトは、デカいですがエクセルなどで数字キーをめっちゃ使う人には刺さりますね。

キーキャップ素材について公式サイトには明記されてませんが、Satechi製メカニカルキーボードはほとんどがABSを採用しているため、SM3のキーキャップもABSだと思います(見た感じもそんな気がする)。
ダブルショット成型なので使っていて文字が擦り消えることはないです。
サラッとした質感ですが、使っていて皮脂などがやや目立ちやすい点には注意が必要です。

背面に電源スイッチとUSB‑Cポートを配置。

底面にUSBレシーバーを収納できます。磁力でパチっとはまる感じです。

スタンドは2段階。
Satechi SM3の仕様
項目 | 内容 |
---|---|
レイアウト | フルサイズ(108キー) US配列 |
スイッチ | ロープロファイルタクタイル(ブラウン) |
押下圧 | 50±5gf |
ストローク | 2.6±0.4mm |
プリトラベル | 1.4±0.4mm |
接続 | Bluetooth 5.0×2、2.4 GHz、USB‑C有線 |
接続台数 | 最大4台 |
バックライト | ホワイト14パターン/輝度3段階/速度4段階 |
バッテリー | 2500 mAh |
対応OS | Windows、macOS、iPadOS、iOS |
サイズ | 429×119×15.2 mm |
重量 | 約648 g |
15.2 mmという厚さはロープロファイルメカニカルとしても十分に薄く、パームレストなしでも扱いやすい印象です。
面積も429×119mmと、横幅は一般的なフルサイズと同程度でも奥行きが短めなので圧迫感がないですね。
打鍵感:ロープロファイルブラウンの心地よいタクタイル感

独自設計のロープロファイルブラウンスイッチは押下圧が50±5gfで、薄型ゆえに底打ち感はやや強めながらキーリリースが俊敏なため文章入力のリズムが取りやすいと感じました。
ただ、静音リニアを常用している僕としては打鍵音がやや気になるのも事実で、1Uキーでは「カチャカチャ」とした軽い高音が響き、EnterやSpaceといった大きめのキーでは「コトコト」と低めの落ち着いた音が出ます。
メカニカルキーボードに慣れた人であれば許容範囲に収まるレベルですが、図書館くらい静かな場所だとやや憚られるかなって感じです。
なお、キースイッチはPCBにはんだ付けされているので交換はできません。
マルチペアリングとレイアウト切り替え

右上に配置された4つの専用スイッチで、有線を含む4台を切り替えられます。切り替えもスムーズなので作業フローが途切れません。

また「Fn」+「O」「P」キーでWin/Mac配列を物理的に切り替えられるので、OSが混在していてかつ高頻度でOSを切り替える人にもいいですね。
バックライトはホワイト単色だが14パターン

バックライトはRGBではなくホワイト一色ですが、ウェーブやリップルなど14パターンのエフェクトを備えます。
バッテリー容量は2500mAhで、バックライトオンで最大約15日、オフで最大約20日のバッテリーライフとのこと。満充電後に2週間ほど、バックライトを50%にして1日4時間程度使って残量75%程度だったのでバッテリー持ちが悪いと感じることはない感じかなと思います。
競合製品との価格比較
薄型でフルサイズレイアウトのワイヤレスキーボードのKeychron K5 Max、ロジクール MX Mechanicalと価格を比べてみました。
製品 | 価格(Amazon) | 特徴 |
---|---|---|
Satechi SM3 | 14,792円(セール) 18,490円(通常) | 最薄最軽量 キー操作でWin/Mac切り替え |
Keychron K5 Max | 19,910円~ | ホットスワップ RGBバックライト QMK/VIA対応 |
ロジクール MX Mechanical | 22,400円 | Logi Options+対応 スマートイルミネーション 最長10ヶ月のバッテリーライフ |
SM3はセールを活用すればK5 Maxより約5,000円、MX Mechanicalより約7,600円安く入手できます。
ホットスワップやRGBバックライト、QMK/VIAによるリマップの柔軟性を求めるならK5 Max、専用ソフトやLogi Boltドングルの安定性、最長10ヶ月のバッテリー持ちを重視するならMX Mechanicalが候補になりますが、そういったものが不要であればSM3が一番手頃に買うことができますね。
Satechi SM3のいいところとイマイチなところ

Satechi SM3 のいいところ
- Win/Macの切り替えがスムーズで、OS混在環境でも違和感なく使える
- 薄型でもしっかり感じられるタクタイル感
- バッテリー持ちは結構長め
- 他の薄型フルサイズメカニカルキーボードに比べて安い
Satechi SM3 のイマイチなところ
- バックライトがホワイト単色でRGB派には物足りない
- 専用ソフトでのキーリマップには非対応
- 打鍵音はやや大きめ
薄型ですがちゃんとタクタイル感があり、快適なタイピングができます。これはペチペチキーボードにはない魅力です(音はちょっと大きいけど)。
バッテリー持ちも2週間程度使ったぐらいだと全然問題なかったです、MX Mechanicalはバケモン過ぎますが、個人的にはこれくらいでも十分かなと。
薄型×フルサイズ×ワイヤレスという条件をすべて満たすキーボードはまだ選択肢が少なく、その中でセール価格約1.5 万円で入手できるのは結構魅力的だと思います。
もちろん高いキーボードにはそれ相応の機能がついていますが、そういったものが不要であればSM3はコスパが高く、有力な選択肢になるでしょう。
