NVIDIAのグラフィックボード「RTX A4000」を買ったので、レビューとベンチマークをお届けします。
目次
RTX A4000 の外観
購入したのはELSAのRTX A4000です。いわゆるオリファンモデルではなく、NDIVIAが売っているものと同じデザイン。
ブラケットなど出っ張っている部分を除けばシンプルな長方形です。プロユース感。
サイドにゴールドで帯のようなものが入っていていて、いいアクセントになっています。
そしてこの薄さよ。驚異の18mm、1スロット分しかありません。
裏側。バックパネルはないです。
ポートはDP×4。HDMI使いたい人は変換ケーブルなどが必要です。
あまり見かけないコネクタが2つあります。左が3pinステレオシャッター用コネクタ、右がQuadro Sync 2 ボード接続用コネクタです。
補助電源は6ピン×1。前使っていた3070Tiが8ピン×3だったので、本当に?という気持ちになりますね。
ファンは小さなシロッコファンが1つあるくらいです。
RTX A4000 の仕様
RTX A4000の仕様は以下の通り。
RTX A4000 | |
---|---|
プロセス | 8 nm |
トランジスタ数 | 174億 |
ダイサイズ | 392 mm2 |
CUDAコア | 6,144 コア |
Tensorコア | 192 コア |
RTコア | 48 コア |
ベースクロック | 735 MHz |
ブーストクロック | 1,560 MHz |
FP32 | 19.2 TFLOPS |
Tensor性能 | 153.4 TFLOPS |
RTコア性能 | 37.4 TFLOPS |
VRAM | 16GB GDDR6 |
メモリバス | 256 bit |
メモリバンド幅 | 448 GB/s |
最大消費電力 | 140 W |
ポート | DisplayPort × 4 |
サイズ (幅×高さ×厚さ) | 241.3mm × 111.15mm × 18mm 1スロットサイズ |
ベース・ブーストクロックは控えめですがVRAMのデカさと消費電力の低さが特徴。
性能的にはRTX 3060Ti~RTX 3070くらいらしいので、ワットパフォーマンスが高いです。
RTX A4000の各種ベンチマーク結果
3DMark
3Dグラフィックスのパフォーマンスをテストする「3DMark」で、DirectX 11ベースの「Fire Strike」、DirectX 12ベースの「Time Spy」、DRXベースのリアルタイムレイトレーシングテスト「Port Royal」の3つのテストを実施。
3DMark | スコア |
Fire Strike | 27,262 |
Time Spy | 11,109 |
Port Royal | 6,547 |
3つのテストにおいて、どれもRTX 3060Tiの平均値程度のスコアがでました。
RTX A4000の消費電力が140W、RTX 3060Tiの消費電力が200Wなので、やっぱりワッパがいいなという感じ。
VRMark
Oculus RiftやHTC ViveなどのVRヘッドセットでどれくらい快適にVRをプレイできるかというのをテストする「VR Mark」。
Oculus Rift、HTC Viveといった現在のVR環境を想定した「Orange Room」、DirectX 12ベースの環境を想定した「Cyan Room」、将来登場するであろうさらに高負荷な環境を想定した「Blue Room」の3つでテストを実施。
VRMark | スコア |
Orange Room | 15,555 |
Cyan Room | 10,764 |
Blue Room | 3,423 |
VRMarkも3DMark同様RTX 3060Ti程度のスコアになりました。
VRMark | FPS |
Orange Room | 336.27 |
Cyan Room | 235 |
Blue Room | 73.79 |
テスト実施中のフレームレートはこんな感じ。最も高負荷なBlue Roomにおいても60FPSを下回ることはありませんでした。
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク
「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク(FF14ベンチ)」で、フルHD(1920×1080)、WQHD(2560×1440)、4K(3840×2160)の3つの解像度にてグラフィック設定「最高品質」でテストを実施。
FF14ベンチ | スコア |
フルHD | 23,734 |
WQHD | 18,221 |
4K | 9,109 |
フルHD、WQHDでは「非常に快適」、4Kでは「快適」という結果でした。
3DMark、VRMark同様やはりRTX 3060Tiと同じくらいのスコアです。
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク
「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク(FF15ベンチ)」で、フルHD(1920×1080)、WQHD(2560×1440)、4K(3840×2160)の3つの解像度にてグラフィック設定「高品質」でテストを実施。
FF15ベンチ | スコア |
フルHD | 11,101 |
WQHD | 8,112 |
4K | 4,789 |
フルHDで「快適」、WQHDで「快適」、4Kで「やや快適」という結果でした。
4K解像度では60FPSを下回ることもあったので、重いゲームを4K・高画質でプレイするのには向いていませんね。
Blender Benchmark
3DCG、2Dアニメーション制作ツール「Blender」をベースにした「Blender Benchmark」でGPU性能をチェック。
「Monster」「Junkshop」「Classroom」の3つのシーンで、1分間に生成されるサンプル数をスコアとして計測します。
結果は以下の通り。
Blender Benchmark | サンプル数/分 |
Monster | 1593.55031 |
Junkshop | 905.43518 |
Classroom | 797.05305 |
4K動画のエンコード
Nikon Z 7で撮影した数本の4K30p動画を動画編集ソフト「Premiere Pro 2022」と「Davinci Resolve Studio 17」で10分にまとめ、書き出し時間をチェック。
「Premiere Pro」は「Media Encoder」を経由してログファイルに書かれたエンコード時間を、「Davinci Resolve」はデリバーページに表示されている書き出し完了時間を結果としています。
4K書き出し | 時間 |
Premiere Pro | 2分37秒 |
Davinci Resolve Studio | 3分21秒 |
Davici Resolveが1分弱遅いですが、それでも実時間の3分の1程度の時間で書き出しが完了しています。
4K動画を書き出すことの多い人はいいグラボがあるとマジで時短になりますね。
1スロットサイズで省電力だけどそこそこなパワーがあるグラボ
RTX A4000、とにかく小さくて薄い。グラボ入れさせる気があるのか?みたいなSFFケースなんかでも余裕で組み込めるサイズ感。
消費電力も140Wと、RTX 3000番台のミドルハイクラスと比べるとかなり省電力仕様です。
それでいてRTX 3060Ti~RTX 3070あたりと同等な性能を持っていてワットパフォーマンスが高いのがいいですね。
価格はELSAのやつが約14万、オリオスペックで売られているやつが13万程度。正直この金額を出すのであれば3070Tiとか買えちゃうんですが、小さい方がいい、省電力の方がいい、ゲームしないけどVRAMてんこ盛りがいい、などなどRTX A4000を選ぶ理由はたくさんあるんじゃないでしょうか。