AMD Radeon RX 9070 を購入したので、今まで使っていた RX 7900 XT と性能を比較してみました。

目次
Red Devil AMD Radeon RX 9070 16GB GDDR6

購入したのはPower ColorのRed Devil AMD Radeon RX 9070 16GB GDDR6です。

見てください、めっちゃかっこいいです。RED DEVILのロゴがこう、男心をくすぐるというか…

重量は実測で1530g。めちゃ重い。

厚めなバックプレートも搭載。

右側のRed Devilのロゴは赤く光ります。かっこいい。

ケツの部分(?)も赤く光ります。かっこいい。

補助電源は8ピン×2。RX 9070 XTだと8ピン×3になります。
その横にはARGBのピンがあって、LEDの制御もできます。

映像出力はDP×3+HDMI×1。

OCモードとSILENTモードの切り替えスイッチがあります。



付属品はサポートステーとARGBのケーブル、RED DEVILのステッカー。
ベンチマークで Radeon RX 9070 と Radeon RX 7900 XT を比較
ベンチマークソフトを使って Radeon RX 9070 と Radeon RX 7900 XT の性能を比較してみました。
検証環境は以下の通り。
CPU | AMD Ryzen 9 9950X | |
マザーボード | MSI MAG X870 TOMAHAWK WIFI | |
メモリ | G.Skill Trident Z5 Neo RGB DDR5 5600MT/s 48GB×2 | |
GPU | AMD Radeon RX 9070 | AMD Radeon RX 7900 XT |
SSD | Samsung SSD 980 PRO 2TB | |
CPUクーラー | DEEPCOOL ASSASSIN IV VC VISION | |
電源 | NZXT C850 80PLUS GOLD |


今回比較したRadeon RX 9070 と Radeon RX 7900 XT の主要な仕様をまとめました。
RX 9070 | RX 7900 XT | |
---|---|---|
アーキテクチャ | RDNA 4 | RDNA 3 |
演算ユニット数 (CUs) | 56 | 84 |
ブーストクロック | 最大 2520 MHz | 最大 2400 MHz |
単精度演算性能 (FP32) | 36.1 TFLOPs | 52 TFLOPs |
メモリ容量 | 16 GB | 20 GB |
メモリインターフェイス | 256-bit | 320-bit |
メモリ帯域幅 | 640 GB/s | 800 GB/s |
消費電力 (TBP) | 220W | 315W |
演算ユニット数やメモリ帯域などのスペックでは7900 XTが上回っている一方、RX 9070は最新世代アーキテクチャによって実ゲーム性能と電力効率を重視した設計となっています。
3DMark
3Dグラフィックスのパフォーマンスをテストする「3DMark」で、DirectX 11ベースの「Fire Strike」「Fire Strike Extreme」「Fire Strike Ultra」、DirectX 12ベースの「Time Spy」「Time Spy Extreme」「Steel Nomad」、レイトレーシングテスト「Port Royal」を実施。

3DMark | RX 9070 | RX 7900 XT |
---|---|---|
Fire Strike | 46487 | 46992 |
Fire Strike Extreme | 29940 | 30795 |
Fire Strike Ultra | 16138 | 16704 |
Time Spy | 21053 | 20716 |
Time Spy Extreme | 13016 | 12655 |
Port Royal | 16209 | 14397 |
Steel Nomad | 6170 | 5407 |
DirectX 11のFire Strike系ではスコアが拮抗しつつもわずかにRX 7900 XTが上回る結果に。これはRX 9070がRX 7900 XTの下位に置かれてるというのもあってそれがそのままスコアに出た感じかなと。
DirectX 12のテストであるTime Spy系やSteel NomadではRX 9070がリードしています。さらに、その中でも世代の新しいSteel NomadではRX 7900 XTに約14%の差をつけています。
また、リアルタイムレイトレーシング性能を測るPort RoyalではRX 9070がRX 7900 XTに約13%の差をつけています。レイトレーシング処理を担うRay Acceleratorの世代の進化がスコア差に出ていると言えるでしょう。
FF14 ベンチマーク
「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」で、フルHD(1920×1080)、WQHD(2560×1440)、4K(3840×2160)の3つの解像度にてグラフィック設定「最高品質」でテストを実施。

FF14ベンチ | RX 9070 | RX 7900 XT |
---|---|---|
FHD | 25840 | 27815 |
WQHD | 20291 | 21958 |
4K | 10800 | 12207 |
全解像度でRX 7900 XTのほうがスコアが高かったです。これはFF14ベンチマークがDirectX 11ベースで、GPUのCU数やメモリ帯域、純粋な演算性能がスコアに直結するためかなと考えられます。
FF15 ベンチマーク
「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」で、フルHD、WQHD、4K(3840×2160)の3つの解像度にてグラフィック設定「高品質」でテストを実施。

FF15ベンチ | RX 9070 | RX 7900 XT |
---|---|---|
FHD | 18916 | 19653 |
WQHD | 14710 | 15347 |
4K | 8715 | 8816 |
FF15ベンチマークもDirectX 11ベースで、描画負荷は高めなものの、最新アーキテクチャの最適化やレイトレーシングには非対応。
CPU依存度が高く、CU数・ROP数・メモリ帯域といったピークスペックが反映されやすいため、スペック上で上回るRX 7900 XTが順当にスコアを伸ばした形と言えます。
Cyberpunk 2077 ベンチマーク
Cyberpunk 2077内のベンチマーク機能を使ってテスト。プリセットの「レイトレーシング:ウルトラ」を選択して、FSR3とフレーム生成をオンにした状態とどちらもオフのネイティブ解像度で計測。解像度はフルHD/WQHD/4K。

Cyberpunkベンチ | RX 9070 FSR3パフォーマンス FGオン | RX 9070 ネイティブ | RX 7900 XT FSR3パフォーマンス FGオン | RX 7900 XT ネイティブ |
---|---|---|---|---|
FHD | 228.15fps | 72.93fps | 228.06fps | 60.16fps |
WQHD | 212.24fps | 45.77fps | 173.95fps | 37.47fps |
4K | 118.3fps | 22.94fps | 97.17fps | 18.12fps |
全解像度・全設定でRX 9070が優位で、特にネイティブ解像度での差が顕著。
Cyberpunk 2077はレイトレーシングやFSR3に最適化された世代も新しく重量級のタイトル。RX 9070は、レイトレーシング性能やフレーム生成機能の改善が施されており、公式でもこの世代の強化ポイントとして挙げられている部分。
そのため、フレーム生成やFSR3有効時にRX 9070が大きくリードする結果となっています。特にWQHD以上では世代差が顕著に現れました。
モンスターハンターワイルズ ベンチマーク
こちらも重量級のモンスターハンターワイルズのベンチマーク。グラフィック設定をプリセットの「ウルトラ」に設定。FSRはオンで、フレーム生成をオン/オフの2パターンで計測。解像度はフルHD/WQHD/4K。

MHWsベンチ | RX 9070 フレーム生成 | RX 9070 | RX 7900 XT フレーム生成 | RX 7900 XT |
---|---|---|---|---|
FHD | 191.86fps | 102.68fps | 185.74fps | 99.78fps |
WQHD | 176.08fps | 98.23fps | 165.8fps | 93.2fps |
4K | 124.62fps | 70.45fps | 116.38fps | 66.52fps |
このタイトルも最新世代の描画エンジンを採用し、レイトレーシングやFSR3に対応しているため、RDNA4世代の設計意図がそのまま活きた形です。
特に4K解像度でもフレーム生成なしで平均70fps超えと、重量級タイトルにおけるRDNA4世代の優位性を示す結果になっています。(ベンチと実際のゲームプレイでの差が大きいとかいう話もありますが…)
4K動画のエンコード
Nikon Z 7IIで撮影した数本の4K60p動画を動画編集ソフト「Premiere Pro 2025」で10分にまとめ、書き出し時間を計測。「Media Encoder」を経由してログファイルに書かれたエンコード時間を結果としています。

Premiere Pro 2025 | RX 9070 | RX 7900 XT |
---|---|---|
書き出し時間 | 5分3秒 | 3分9秒 |
Premiere Pro 2025での書き出しはRX 7900 XTが速かったですね。何度か試しましたが大きく時間が変わることはなかったです。
これはRX 7900 XTの方が演算ユニット数・AIアクセラレータ数・メモリ帯域が高く、純粋なCompute性能で上回っているためなのかなと。
RX 9070はゲームパフォーマンス特化で、Compute系処理性能は必要最小限に設計されており、動画エンコードのようなGPU演算性能を活用する処理では7900 XTが優位という結果になりました。

ゲーム用途に特化するならRX 9070、旧世代タイトルや動画編集まで幅広く使うならRX 7900 XTと、用途によって選び方が分かれる感じですね。
今回RX 9070を買ったのは、メインマシンのグラボ入れ替えというわけではなくゲーミングPC用としてなので、そういう意味ではわりと良い選択をしたんじゃないかなぁと思っています。(ゲーミングPCではフルHDでFPSばっかやるのでRX 9070でも持て余すじゃねえかというのは分かるけど欲しかったから…)
