本サイトは広告・アフィリエイトプログラムにより収益を得ています
Radeon RX 9070を買ったのでRX 7900 XTと性能・静音性・消費電力を比較してみた

Radeon RX 9070を買ったのでRX 7900 XTと性能・静音性・消費電力を比較してみた

2025/03/28

「Radeon RX 9070」は、AMDの最新アーキテクチャ「RDNA 4」を採用したハイエンドGPUです。上位モデルには「RX 9070 XT」が存在しますが、RX 9070(無印)は消費電力と扱いやすさを重視するユーザーに向けた非常にバランスのいいグラボです。

実際にRX 9070を導入し、手持ちのRX 7900 XTとも比較しながらその実力をチェックしていきます。

RX 9070のスペックをおさらい

まずは、RX 9070の主なスペックを上位モデルRX 9070 XT、そして1世代前のRX 7900 GREと比較しておきましょう。

GPURadeon RX 9070 XTRadeon RX 9070Radeon RX 7900 GRE
アーキテクチャRDNA 4RDNA 4RDNA 3
製造プロセスTSMC N4PTSMC N4P5nm/6nm
ストリームプロセッサ数4,096基3,584基5,120基
ゲームクロック2,400MHz2,070MHz1,880MHz
ブーストクロック2,970MHz2,520MHz2,245MHz
メモリ容量16GB GDDR616GB GDDR616GB GDDR6
メモリ帯域幅640GB/s640GB/s576GB/s
PCIe世代5.05.04.0
消費電力(TBP)304W220W260W

こうして見ると、RX 9070は上位のXT版に比べるとスペック上やや劣るものの、消費電力が大幅に下がっており、静音性や冷却性を重視するユーザーにとって大きなメリットがあることがわかります。

Red Devil AMD Radeon RX 9070 16GB GDDR6

購入したのはPower ColorのRed Devil AMD Radeon RX 9070 16GB GDDR6です。

見てください、めっちゃかっこいいです。RED DEVILのロゴがこう、男心をくすぐるというか…

重量は実測で1530g。めちゃ重い。

厚めなバックプレートも搭載。

右側のRed Devilのロゴは赤く光ります。かっこいい。

ケツの部分(?)も赤く光ります。かっこいい。

補助電源は8ピン×2。RX 9070 XTだと8ピン×3になります。

その横にはARGBのピンがあって、LEDの制御もできます。

映像出力はDP×3+HDMI×1。

OCモードとSILENTモードの切り替えスイッチがあります。

付属品はサポートステーとARGBのケーブル、RED DEVILのステッカー。

ベンチマークで Radeon RX 9070 と Radeon RX 7900 XT を比較

ベンチマークソフトを使って Radeon RX 9070 と Radeon RX 7900 XT の性能を比較してみました。

検証環境は以下の通り。

CPUAMD Ryzen 9 9950X
マザーボードMSI MAG X870 TOMAHAWK WIFI
メモリG.Skill Trident Z5 Neo RGB DDR5 5600MT/s 48GB×2
GPUAMD Radeon RX 9070AMD Radeon RX 7900 XT
SSDSamsung SSD 980 PRO 2TB
CPUクーラーDEEPCOOL ASSASSIN IV VC VISION
電源NZXT C850 80PLUS GOLD

今回比較したRadeon RX 9070 と Radeon RX 7900 XT の主要な仕様をまとめました。

RX 9070RX 7900 XT
アーキテクチャRDNA 4RDNA 3
演算ユニット数 (CUs)5684
ブーストクロック最大 2520 MHz最大 2400 MHz
単精度演算性能 (FP32)36.1 TFLOPs52 TFLOPs
メモリ容量16 GB20 GB
メモリインターフェイス256-bit320-bit
メモリ帯域幅640 GB/s800 GB/s
消費電力 (TBP)220W315W

演算ユニット数やメモリ帯域などのスペックでは7900 XTが上回っている一方、RX 9070は最新世代アーキテクチャによって実ゲーム性能と電力効率を重視した設計となっています。

3DMark

3Dグラフィックスのパフォーマンスをテストする「3DMark」で、DirectX 11ベースの「Fire Strike」「Fire Strike Extreme」「Fire Strike Ultra」、DirectX 12ベースの「Time Spy」「Time Spy Extreme」「Steel Nomad」、レイトレーシングテスト「Port Royal」を実施。

3DMarkRX 9070RX 7900 XT
Fire Strike4648746992
Fire Strike Extreme2994030795
Fire Strike Ultra1613816704
Time Spy2105320716
Time Spy Extreme1301612655
Port Royal1620914397
Steel Nomad61705407

DirectX 11のFire Strike系ではスコアが拮抗しつつもわずかにRX 7900 XTが上回る結果に。これはRX 9070がRX 7900 XTの下位に置かれてるというのもあってそれがそのままスコアに出た感じかなと。

DirectX 12のテストであるTime Spy系やSteel NomadではRX 9070がリードしています。さらに、その中でも世代の新しいSteel NomadではRX 7900 XTに約14%の差をつけています。

また、リアルタイムレイトレーシング性能を測るPort RoyalではRX 9070がRX 7900 XTに約13%の差をつけています。レイトレーシング処理を担うRay Acceleratorの世代の進化がスコア差に出ていると言えるでしょう。

FF14 ベンチマーク

「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」で、フルHD(1920×1080)、WQHD(2560×1440)、4K(3840×2160)の3つの解像度にてグラフィック設定「最高品質」でテストを実施。

FF14ベンチRX 9070RX 7900 XT
FHD2584027815
WQHD2029121958
4K1080012207

全解像度でRX 7900 XTのほうがスコアが高かったです。これはFF14ベンチマークがDirectX 11ベースで、GPUのCU数やメモリ帯域、純粋な演算性能がスコアに直結するためかなと考えられます。

FF15 ベンチマーク

「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」で、フルHD、WQHD、4K(3840×2160)の3つの解像度にてグラフィック設定「高品質」でテストを実施。

FF15ベンチRX 9070RX 7900 XT
FHD1891619653
WQHD1471015347
4K87158816

FF15ベンチマークもDirectX 11ベースで、描画負荷は高めなものの、最新アーキテクチャの最適化やレイトレーシングには非対応。

CPU依存度が高く、CU数・ROP数・メモリ帯域といったピークスペックが反映されやすいため、スペック上で上回るRX 7900 XTが順当にスコアを伸ばした形と言えます。

Cyberpunk 2077 ベンチマーク

Cyberpunk 2077内のベンチマーク機能を使ってテスト。プリセットの「レイトレーシング:ウルトラ」を選択して、FSR3とフレーム生成をオンにした状態とどちらもオフのネイティブ解像度で計測。解像度はフルHD/WQHD/4K。

CyberpunkベンチRX 9070
FSR3パフォーマンス
FGオン
RX 9070
ネイティブ
RX 7900 XT
FSR3パフォーマンス
FGオン
RX 7900 XT
ネイティブ
FHD228.15fps72.93fps228.06fps60.16fps
WQHD212.24fps45.77fps173.95fps37.47fps
4K118.3fps22.94fps97.17fps18.12fps

全解像度・全設定でRX 9070が優位で、特にネイティブ解像度での差が顕著。

Cyberpunk 2077はレイトレーシングやFSR3に最適化された世代も新しく重量級のタイトル。RX 9070は、レイトレーシング性能やフレーム生成機能の改善が施されており、公式でもこの世代の強化ポイントとして挙げられている部分。

そのため、フレーム生成やFSR3有効時にRX 9070が大きくリードする結果となっています。特にWQHD以上では世代差が顕著に現れました。

実際にプレイしてみた感覚では、WQHD解像度・高設定でもRX 9070は非常に安定しており、体感的なカクつきはほとんどありませんでした。レイトレ強化を重視しないのであれば、十分に満足できるパフォーマンスです。

モンスターハンターワイルズ ベンチマーク

こちらも重量級のモンスターハンターワイルズのベンチマーク。グラフィック設定をプリセットの「ウルトラ」に設定。FSRはオンで、フレーム生成をオン/オフの2パターンで計測。解像度はフルHD/WQHD/4K。

MHWsベンチRX 9070
フレーム生成
RX 9070RX 7900 XT
フレーム生成
RX 7900 XT
FHD191.86fps102.68fps185.74fps99.78fps
WQHD176.08fps98.23fps165.8fps93.2fps
4K124.62fps70.45fps116.38fps66.52fps

このタイトルも最新世代の描画エンジンを採用し、レイトレーシングやFSR3に対応しているため、RDNA4世代の設計意図がそのまま活きた形です。

特に4K解像度でもフレーム生成なしで平均70fps超えと、重量級タイトルにおけるRDNA4世代の優位性を示す結果になっています。(ベンチと実際のゲームプレイでの差が大きいとかいう話もありますが…)

4K動画のエンコード

Nikon Z 7IIで撮影した数本の4K60p動画を動画編集ソフト「Premiere Pro 2025」で10分にまとめ、書き出し時間を計測。「Media Encoder」を経由してログファイルに書かれたエンコード時間を結果としています。

Premiere Pro 2025RX 9070RX 7900 XT
書き出し時間5分3秒3分9秒

Premiere Pro 2025での書き出しはRX 7900 XTが速かったですね。何度か試しましたが大きく時間が変わることはなかったです。

これはRX 7900 XTの方が演算ユニット数・AIアクセラレータ数・メモリ帯域が高く、純粋なCompute性能で上回っているためなのかなと。

RX 9070はゲームパフォーマンス特化で、Compute系処理性能は必要最小限に設計されており、動画エンコードのようなGPU演算性能を活用する処理では7900 XTが優位という結果になりました。


全体的に、WQHD解像度ではRX 9070とRX 7900 XTで体感できる差はかなり小さく、フレームレートも安定して高水準を維持できています。一方で、4K解像度になるとやはりXT版が有利な場面も見られました。

消費電力・発熱・静音性の違い

消費電力と発熱ではRX 9070が圧倒的に優秀です。
発熱が低いおかげでファンの回転数も控えめになり、結果として静音性にも大きな差が出ました。
ゲーミング中のPC全体の静かさが一段階アップする感覚があり、長時間使用時の快適さに直結します。

RX 9070のいいところ・イマイチなところ

Radeon RX 9070 のいいところ

  • 消費電力が非常に低い(220W)
  • 静音性・冷却性に優れる
  • WQHDゲーミングに十分な性能
  • 扱いやすく、電源やケース選びの自由度が高い

Radeon RX 9070 のイマイチなところ

  • 絶対性能(4Kゲーミング性能)はRX 9070 XTに劣る
  • 9070 XTとの価格差が小さく、上位モデルに流れやすい

RX 9070はこんな人におすすめ

  • WQHD解像度で快適にゲームを楽しみたい人
  • 消費電力と発熱を抑えたPC構成を組みたい人
  • 静音性を重視したい人
  • PCIe 5.0環境で最新GPUを活かしたい人

逆に、最高設定で4Kゲーミングを目指したい人や、ベンチマークスコアを追求したい人には、RX 9070 XTのほうが適しているでしょう。

性能だけじゃない、快適性重視の選択肢

RX 9070は、単なる下位モデルではなく、「消費電力」「静音性」「運用の快適さ」というゲーミングPCの使い勝手に直結する要素を強化した、非常にバランスの良いGPUです。

スペック表やベンチマークスコアだけでは見えにくいですが、消費電力・静音性といった「日常使いの快適さ」では、RX 9070は非常に優秀。

ハイエンドクラスのゲーミング性能を持ちつつ、扱いやすさを重視したい人にとって、RX 9070は間違いなく最適な選択肢のひとつです。