
快適な作業環境を構築するために自作したPC、CPUは
AMD Ryzen 7 1700を搭載しています。
このRyzen 7 1700の定格周波数は3.0GHzでブースト時3.7GHzですが、この3.7GHzは1コアのみ使用する状態で、
全コア活用時は3.2GHzが最大周波数になります。
どうせなら全コアでも3.7GHzにしたいしな~ということで、簡易的にオーバークロックしてその性能を試してみることにしました。
AMD Ryzen Masterの使い方
AMD Ryzen MasterはWindows上でオーバークロック設定ができるAMD純正のOCツールです。
とりあえず公式のDLページからインストーラーをDLしてインストールしていきます。
公式DLページ:
https://www.amd.com/ja/technologies/ryzen-master
クイックリファレンス:
https://download.amd.com/documents/ryzen-master-1.5-quick-reference-guide.pdf
ユーザーガイド:
https://download.amd.com/documents/AMD-Ryzen-Processor-and-AMD-Ryzen-Master-Overclocking-Users-Guide.pdf

AMD Ryzen Masterユーティリティを起動すると、現在の設定をモニタリングする「現在」タブが表示されます。ここではコアクロックや各種電圧、温度などをモニタリング可能。

「Creator Mode」「Game Mode」「Profile 1」「Profile 2」の4つのタブがOC設定画面です。最大で4つのOCプロファイルが保存可能。
周波数や電圧などの項目の右にあるチェックボックスやスライダー、矢印アイコンでOCプロファイルを変更して、右上の「適用」ボタンでOC設定を適用します。

AMD Ryzen MasterユーティリティでのOC設定は、コアクロックや電圧の用にリアルタイムで反映されるものもあれば、PCの再起動が必要なものもあります。
項目にチェックが入っていると、値を変更しなくても設定変更とみなされて再起動が必要になってしまうので、変更しないものはチェックを外したほうがいいです。

OC設定が適用されると、緑色の帯で設定の適用が成功したことが通知されます。
AMD Ryzen MasterでRyzen 7 1700を簡易OC

Ryzen 7 1700をオーバークロックしてみます。今回変更するのはコアクロックとCPU電圧の2つ。
とりあえずコアクロックだけ変更してCINEBENCH R15を実行、PCが落ちるなどした場合には電圧を変更する感じでテストします。

まずは定格。スコアは1369 cbでした。

HWiNFO64で温度と電力をモニターしたところ、温度は最大で47.3℃、電力は約73Wでした。

AMD Ryzen Masterでコアクロックを3.5GHzに変更。CINEBENCH R15のスコアは1475 cb。

温度は最大53.5℃、電力は約86Wでした。

コアクロックを3.6GHzにしてCINEBENCH R15を実行したところPCが落ちたので、CPU電圧を1.2Vまで上げました。

ベンチマーク測定完了。CINEBENCH R15のスコアは1525 cb。

温度は最大56.9℃、電力は約89W。

コアクロックを3.7GHzにしたらまたしてもCINEBENCH R15実行直後に強制終了。CPU電圧を1.3Vに変更。

CINEBENCH R15のスコアは1554 cb。

温度は最大63.9℃、電力は約107W。100Wを超えましたね。
コアクロックを3.8GHzにしたらCPU電圧1.3VでもCINEBENCH R15実行直後に強制終了しました。電圧上げてもよかったんですが、シングルコア時の最大周波数まで試したんでとりあえずテスト終了です。
テスト結果をまとめたのが以下。
|
定格 (1.11875V) |
1.2V |
1.3V |
定格 3.0GHz (ブースト時3.2GHz) |
1369 cb 47.3 ℃ 72.986 W |
|
|
3.5GHz |
1475 cb 53.5 ℃ 85.946W |
|
|
3.6GHz |
× |
1525 cb 56.9 ℃ 89.395 W |
|
3.7GHz |
|
× |
1554 cb 63.9 ℃ 107.444 W |
3.8GHz |
|
|
× |
ネットで見てた情報だと3.8GHz 1.3VでもCINEBENCH完走するって書いてたんですけど、個体差ですかね。
Ryzen 7 1700をOCするとLightroomの書き出し速度は上がるのか
前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。
Lightroomでは書き出し(RAW→JPG)時にCPUの負荷がめっちゃあがります。CPU性能が試される感じなので、OCすれば書き出し速度も上がるんじゃね?と考えたわけです。
そこで、D850で撮影した写真(8,256×5,504px)144枚をリサイズなし、解像度72pixel/inchで書き出したときの時間を、定格時と3.7GHzまでOCした時で比べてみました。
結果は以下
ほとんど変わりませんでした… 0.5GHz上げれば多少は変化あるかなぁと思ったんですが、全然でしたね…
OCしてもあまり変わらなかったので、定格で運用しようと思います。でも3.8GHzとか4.0GHzの結果も気になるので時間があったら試そうかな。
また、AMD Ryzen MasterでのOC設定はPCを再起動すると元に戻るので、OCしたまま運用するときはBIOSから設定を変更したほうがよさそうです。
ポチップ